剣道・居合道・合気道・弓道・空手道・柔道・木刀など
武道具の製造・販売のことなら京都・東山堂

手刺防具のような機械刺防具「Fit Stich防具」とは?

剣道防具といえば、大きく分けて"手刺防具"と"機械刺防具"の二種類でした。
手刺防具に憧れて、ネックになるのは、やはりその価格。
特に成長期のお子さんでしたら、サイズもすぐに変わってしまうので、高価な防具にはなかなか手がでません。
ですから、少々硬くてサイズが大きめの、機械刺防具を使われているのではないでしょうか。


確かに、機械刺は手刺に比べて、柔らかさやコシの面でどうしても勝つことができません。
一針一針手で刺す物と、機械で刺す物とでは違って当然です。

とはいえ「もっと見た目がよくて柔らかくて安価な防具があれば…」という″夢″は剣道家がみな一度はみるもの。

そこで、弊社で長年をかけ、試行錯誤を繰り返し、ある商品を作りました。

それが「フィットステッチ防具」です。

「フィットステッチ」とはどんな防具なのか・・・
簡単に言うと "手刺の柔らかさとコシを持つ機械刺の防具"なんです。

ほんとに?と思われるかもしれません。
言い過ぎじゃない?と思われるのも当然です。
どうしてそんな防具が出来たのか。ご説明いたします。


「フィットステッチ」の製作にあたり、まず目を付けたのが1.5分刺の手刺防具でした。
なぜ1.5分かというと、強度と柔らかさがほどよく、見た目もいい一番人気の刺し幅だからです。
この1.5分と近い幅にミシンで刺すと、1.5分の手刺防具に近い物が出来るんじゃないかと考えました。

手刺防具のコシを再現する原理として、材料面では手刺防具と同じ柔らかさとコシを持つ芯材を選び、配合を考えました。
さらに製法では縫い目と縫い目の間にほど良い空間を作り、生地の弾力を残すことで、柔らかくコシのある布団に仕上げました。

ここまではとてもいい感じに進んでいきました。
工場に製作を依頼して数か月・・・待ちに待った試作品が出来上がってきました。

手に取ってみると、思った通り、柔らかさとコシ、見た目もバッチリです!

あとは使い心地が手刺に近く、強度があれば完成です!




実際使い込まなければ本当の良さがわからないのが剣道防具です。
そこで、社内一の剣道稽古量をこなす剣道社員、林による、テスト使用へ進みました。
剣道具好きが高じて防具屋にまでなってしまった林ですが、社員の希望を背負い、帰ってきました。

ここで問題が起こります。
使い心地は「最高の出来!」と太鼓判を押すようなレベルでしたが、強度に問題が出てきたのです。

それは刺し幅を長くしたことで、糸切れを起こしてしまうということ・・・

いくら使いやすくても練習量の多い中高生の稽古に耐えれなければ、まったく意味がありません。

刺し幅を長くすると今までの糸では糸切れを起こしてしまうことがわかり、私たちは糸の素材を見直すことにしました。
長い刺し幅に対応する特殊な糸を使い、さらなる使用テストを重ね、見事強度の面も克服できたのです!

練習量の多い中高生の稽古に充分耐えられる強度を実現し、ついに抜群の使い心地を持つ新製法「フィットステッチ」が完成しました。



こうして完成した「フィットステッチ」防具は、機械刺で作るので手刺より安価で製作出来るうえ、生産台数も安定します。
普通の機械刺防具より材料費も生産コストも高くなってしまいましたが、「この使い心地を多くの方に体験してもらいたい」
というくらいの自信作なので、今までの機械刺防具と変わらない価格で販売することにしました!

次世代機械刺防具「Fit Stitch」は、
多くの剣道家の方々の希望を形にした防具です。
是非一度、手に取ってみてください!